概要
先日,資産230億円超え日本トップクラスの個人投資家のcisの著書「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」を読み,その書評を記した。
今回はcisの著書からcisの投資手法「cis流順張りIPOデイトレード」を整理する。
基本原則
cisの投資手法は順張りであり,「上がり続けるものは上がり,下がり続けるものは下がる」の言葉に全てが集約される。実にシンプルなものだ。
著書から順張りに関する部分を抜粋して以下に掲載する。
- 「上がり続けるものは上がり,下がり続けるものは下がる」
- 上がっている株を買う。下がっている株は買わない。
- マーケットの潮目に逆らわずに買う。そして潮目の変わり目をいち早くキャッチする。
- バランスは取られないのが当然と思っておく。上がり続ける株は上がり,下がり続ける株は下がる。
- たしかなのは今上がっているという事実。どこまで上がるかは誰にもわからない。
- 損切りした株がまた上がりだしても買う。同じ銘柄で3回以上繰り返して全部外したら手を引く。
トレンドの転換を察知し,上がる株を買い,下がったら売ることが基本となる。安く買って高く売るというのが一般人のイメージだが,順張りでは上がっていれば,高く買ってさらに高く売るという考えを持つことが重要となる。そのため,一度損切りしても上がりそうであれば,再度エントリーということも十分にありえる。
売りのタイミング
上がったら買い,下がったら売るというのが基本だが,肝心の売りのタイミングについては以下のように言及されていた。
- あまり小さな動きは気にしないで,ある程度下がったときに売る。二度目の押し目で売ることが多い。
- 目先の利確に走ってはいけない。勝つためには長い目で見て得となる可能性の高い売買を積み重ねるしかなく,日々の勝敗に意味はない。小さな損を重ねながらもたまに大きな得をしようという発想。そういう意味で目先の利確は大きな勝ちをなくす行為に当たる。
二度目の押し目で売ることが多いとのことだ。また,大きな勝ちを逃してしまうことになるので,目先の利確に走らないように記されていた。
禁止取引
基本原則から反するため,以下の2種類の取引については厳禁であることが書かれていた。
- 押し目買い
- ナンピン
順張りの考え方で,上がったら買い,下がったら売るのが基本となる。押し目買いもナンピンも下がっているところに買いを入れるため,順張りに真っ向から反する取引となる。そのため,これらについては厳禁とされていた。
例外
基本原則としては順張りだが,その例外として以下の2ケースが書かれていた。
- 週末に世界的な事件が起きると日本で最初に影響が現れる。このときは日本で売られすぎる傾向がある。こういうときは90 %逆張りで買っていい。
- 逆パターンで週末にアメリカに好材料が出てダウ先物が400くらい大きくプラスしているときに日経平均も爆上げしたら空売りする。だいたいすぐ戻る。
ダウ先物が400くら上下するような世界的に大きな事件が発生した場合に限り,経験則として逆張りが通用すると書かれていた。滅多なことでは発生しないケースであり,基本的には忘れても問題なく感じた。
取引戦略
順張りの基本原則は前提として,一から株式投資をする場合の具体的な戦略・方針として以下が書かれていた。
- 仕手株: すぐ乗って早めに売ることができれば投資効率がいい。
- 50-100万円の予算なら1500万円まではIPOのデイトレがいい。
- ボラティリティの高い銘柄を買い,だめそうならすぐ損切りし,上がっている最中は持っておくスタイルのデイトレがいい。
- 予算が2000万円を超えたらIPOデイトレに加えて他のこともやる。
- 情報をあまり集めずに勝ちたい場合,不況時の赤字会社への長期投資もあり。赤字が黒字に転換すると10-20倍のリターンがあり得る。潰れるとゼロになるので赤字でも潰れないような会社を選ぶ。ただし,好況時はアナリストが勧めて伸び代がないので控える。
予算が2000万円以下の間はIPOのデイトレがいいとのことだった。実際にIPO銘柄の値動きを見ていると,一日の中での値動きが激しく,一見下がっているように見えても転換して急上昇するケースが見られた。
株式投資を始めて間もない個人投資家としては,cisのいうとおり,IPOの順張りデイトレが効率がいいように感じた。
結論
cisの著書からcisの投資手法を整理した。投資初心者の自分からすると,「cis流順張りIPOデイトレード」が一番わかりやすくて参考になった。
具体的な相場の転換点の判断方法については書かれていないので,そこについては自分で勉強する必要がある。
1億だとか10億くらいの個人投資家はそれなりにいるが,100億の3桁億円の資産を持つ個人投資家は限られる。中途半端な個人投資家の手法を真似るよりかは,高みに辿り着いた達人の手法を素直に真似るのがよく感じる。
書評を書いてから,少しずつこの手法を取り入れてきて,cisのいっていることの意味がだんだんわかってきた。11月1週目の以下の投資日報にその過程を書いている。
- 投資日報: IPO銘柄のスキャルピングの危険性と5分足の重要性を痛感した1日 – 己の為に金は鳴る
- 投資日報: IPO銘柄の急騰を狙ったデイトレの効率の良さに気づけた1日 – 己の為に金は鳴る
- 投資日報: cis流順張りIPOデイトレの確かな最初の一歩を踏み出した1日 – 己の為に金は鳴る
- 投資日報: cis流順張りIPOデイトレでの最初の確かな+9万円の勝ち – 己の為に金は鳴る
10月はこれまでの投資手法が全く通用せず,大負けしてしまった。今後はしばらくこの手法で取り組むつもりだ。
試行錯誤しながら,資産2000万円まではcis流順張りIPOデイトレードで励んでいきたい。
まあ当時のリアルタイムのcisのトレードを2ちゃんで見れば
当たり前にナンピン買いしてるんですけどね